(中略)
「す、すごい…っ、こんなことが出来るなんて…。これが、魔法の…ちから――」
「うふふ、そんなに感心されると、ちょっと気が引けるわね。まぁ…種明かしをしちゃうと、あとで繋げることを考えて、最初から特殊な切断――というか、分割をしてただけなのよ。斧で乱暴に叩っ切った傷口とかだと、さすがにここまで簡単には繋がらないわ」
ジュジュはそう謙遜したが、フィオナ姫にとっては、いずれにせよ奇跡の魔法であることに変わりはない。ついさっきまで切断面があったはずの位置をしげしげと眺め、撫でさすり、そして自分の指先がなめらかに肌を撫でさすっているその事実に、あらためて驚嘆する。手も足も切断前とまったく同じように、指一本一本の先にいたるまで、意のままに動かせる。わずかな違和感や痛みも無く――いや、記憶を辿ってみれば、切断されていた期間でさえ、当然あるべき激痛がまるで存在しなかったことに、いまさらながら姫は思い当たった。
「――ありがとう、ございます…」
残虐極まりない仕打ちを受けたことも忘れ、フィオナ姫は心からの謝意を自然と口にしてしまう。
「あら、ずいぶん簡単に気を許しちゃうのね。また私の気分しだいで、切ったり繋げたりするかもしれないのに」
「ひぃ…ッ、ど、どうかお許しください、もう…もう決して、逆らいませんから――」
「ふふっ、分かってるってば。フィオナがちゃんといい娘でいる限り、なにも怖がることなんてないのよ。私だって、せっかくの肉便器を傷つけたり、痛い目にあわせたいわけじゃないんだから。それに、やっぱり手足がついてる肉便器のほうが、いろいろと都合が良いし♡」
「――あ、あの…、」
ふと、何かを思いついたのか、フィオナ姫がおずおずと話しかける。
(中略)