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黄金時代

劇場版ベルセルク見てきた。すげえ良かった!
なんせアニマルハウスに第1話が載ったときからチェックしてた俺だ。公開前は、正直あまり期待してなかった。予告映像はすごかったけど、山場が結局そこだけって映画はいくらでもあったし、ベルセルクなんてまさにそうなりがちな筆頭じゃないかって。
でも実際は、そんな心配を吹っ飛ばす素晴らしいクオリティだった。文字通りベルセルクの黄金時代、いちばん熱かったあの頃、読者の脳内で繰り広げられていただろう動画をあそこまで再現してくれたことに、心からありがとう。
以下、未見の方のために畳んどきます。重要なネタバレはしてないはずですが。
続き
まずイントロの攻城戦で完全につかまれた。あの場面だけで、大画面を見に来た甲斐があった。
中世のえげつなさというか乱雑さが見事に描写されてて、騎士や傭兵はマジ命がけだなあ、城攻めにだけは参加したくないなあ、というのが映像でちゃんと伝わるのがすごい!
伝わるといえば、ガッツの剣術もそう。パワー型の外見だけど、実はガッツの斬撃は「速い」んだよな。あの大剣でスピードがあるからこそ桁外れに強くて、人外とも渡り合えるわけで。その「速さ」が、映像でちゃんと表現されてるのにホント身震いした。
他にも、兵士対兵士、騎馬対歩兵、騎馬同士ではそれぞれ戦う間合いが違うとか、自分が歩兵だと騎馬のスピードが脅威すぎるとか、ゾッドのスケール感とか人間じゃ絶対に勝てない重量感とか、もうとにかく映像だけでひしひし伝わってくる。
カメラアングルがまた良いんだわ。ガッツの打ち込みをバズーソの鎧内側から見たり、馬上のキャスカの視点でガッツに突撃したり。ポリゴンの裏打ちあってこその面倒なアングルが、いたるところで贅沢に活用されてた。
ああ…こうして語ってると、もう1回見たくなってくるなあ。近場で上映してれば絶対行くのに。

思えば、昔のアニメ化のときには「物分かりのいいファン」になるしかなかった。
鎧姿の戦士が大剣を振り回して近接戦闘、そんなもん動かせるわけない。だいたい原作の絵がどんだけ描き込んでると思ってんだ。まして深夜アニメで予算も無いんだから、要求するほうが酷だよ。
アニメなのにマンガより止まって見える、つーか実際に止め絵多用だけど、それもご愛嬌、仕方ないさ。アニメになった、それだけで喜ぼうじゃないか、優しく見守ろうじゃないか、と。
でも、もうそんな必要はない。おいおい今の作画は崩れすぎじゃね?モブの顔、またおんなじヤツやーん!とツッコめる。なぜなら作画がキチンとしてる場面があるから。モブが何百人も登場してるから。それがどれほど嬉しいことか!
6月に公開される第2弾も、予告からワクワクさせる映像だった。見に行かないわけがない。

ちなみにもうひとつ、原作に色濃くあったショタ要素がちゃんと再現されてるのも見どころ。
ベルセルクの少年キャラって何故か扱いが良いというか、エロいんだよね。原作からそうだった記憶があるんだけど、ミッドランド王のお稚児さんズが、キャスカどころかシャルロット姫より可愛いってのはどういうことだw
アドニスの例のシーンもやたら長尺で気合い入ってて、間違いなく第1部のメインヒロインだったわ。アドニスたんハァハァ。
やっぱ儚く散ってこそ美少年だよね!

あ、あと思ったのは、この映画の「鎧はポリゴン、顔は手描き」って方法、聖闘士星矢でも取り入れてくれないかなあ。
そうすりゃ金属光沢ツヤツヤでデッサン狂いの無い聖衣が、アニメで再現できるのに。
重量感も厚みもない、プラスチックみたいなノッペリ聖衣はもう勘弁してほしい。21世紀になって10年も経つのに、いつまで80年代東映アニメの低予算表現を引きずってるんだよ…。