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フェンシング

先日のふたなりアンソロに載ったちんこフェンシングマンガについて、感想をいただきました。
遅くなりましたが返信です。

>お遊び的な作品も読んでみたいと思っていたので、すごくうれしいです
>(特に大真面目な解説が最高でした(笑))

ありがとうございます。最近は商業も同人もシリアス展開ばかりでしたが、今回みたいな「全力でバカをやり通す」みたいのもジャム王子の本質なので、スラマーズ以来の懐かしい達成感がありました。まぁ仕上げに関しては猛省ですが…後悔しても仕方の無いこと、次回作への取り組みで晴らします。
以下、執筆裏話など。
続き
ふたなり+フェンシング+熱血少年マンガというネタは思いついたときからずっとやりたくて、というか、早くやらないと誰かに先を越される!(これを人に言うとたいがい「ないない」と返されるのですがw)という焦りがあったので、ひとまず形にできてホッとしました。
正直、エロマンガの範疇を越える力技のギャグゆえ、ネームは総ボツ覚悟で提出したのですが、編集さんの度量の広さで通していただけて良かったです。というか、電話口で笑ってもらえたのが何より嬉しかった。
少なくとも、ひとりの人間にウケたわけですからね。アイデア練ってる間は孤独に戦うしかないので、それが他人に通じたときにはホント救われます。

巻末コメントでもちょっと触れましたが、今回はとにかく「リングにかけろ」を何回も読み返しつつ執筆してました。
なので「負けたふたなりっ娘のほうが射精の勢いで体育館の外までブッとぶ」なんネタも当然浮かびましたが、さすがに自重w
審判のメガネっ子はもちろんヘルガのオマージュなので、すんごい数式を駆使した解説なんかもやってみたかったなぁ。

それにしても、やっぱ車田はすごい。いままでは星矢がオレ内の車田マンガランキング1位でしたが、リンかけを研究視点で読み返してみて、車田正美の天才性にあらためて衝撃を受けました。
「見開きで技名を叫ぶと相手がブッ飛ぶ」なんてのは、あまりにも表層的な解釈。リンかけの本質とは、その見開きに至るまでの、セリフとポエムを両拳とした「言葉の殺陣」なのです。ふつうの少年マンガの戦闘は「セリフ」と「技の理論の説明」で展開していくものですが、そこにポエムの要素を入れていたのが車田の独自性、先進性だったと言えるでしょう。
いつか時間があったら、リンかけ解説本を出してみたいなぁ。…そういや星矢のときも「聖衣解説本を出してみたい」とか言ってたけどw